この記事について
- ExPing とは
- ExPing の入手方法
- ExPing の基本的な使い方と設定方法
ExPing とは
ExPing とは、指定の宛先アドレスへの疎通確認のための Ping や、経路確認のための TraceRoute を実行し、そのログを保存することができる Windows 向けのフリーツールです。
ExPing には連続的な Ping の実行、Ping 結果が分かりやすい画面、Ping 間隔の設定、時刻情報を含むログの保存、設定を保存して再利用など便利な機能があります。このため、ネットワーク業界においてはネットワーク上での疎通確認や通信断時間の計測のために必ずといって良いほど ExPing が使用されます。

ExPing の入手方法
ExPing は開発者の Web サイトからダウンロードできます。以下の URL にアクセスします。
以下のページが表示されるため、「DOWNLOAD」欄にある「LHA 書庫版」と記載のあるリンクをクリックします。すると ExPing のファイルをダウンロードできます。

ファイルは lzh 形式でダウンロードされるため、任意の解凍ソフトを使用して解凍します。

解凍すると以下のように実行ファイルを含むファイルが現れます。

ExPing はインストールすることなく使用できます。
ExPing の基本的な使い方
ExPing の起動
ダウンロードしたファイルを解凍した結果の中の「ExPing.exe」を実行します。

ExPing が起動され以下の画面が表示されます。

環境設定
全般的な設定は上側のメニューの「オプション > 環境設定」で行います。

以下のような設定画面で各種設定を行います。

Ping、TraceRoute の宛先の設定
Ping、TraceRoute の宛先は「対象」タブで設定します。入力欄に以下の形式で情報を記載します。
- 1行につき1つの宛先の情報を記載
- 「宛先アドレス<半角スペース>説明文字列」の形式で記載

Ping、TraceRoute の設定
「環境」タブで Ping の実行回数、実行間隔、タイムアウトや TraceRoute の最大 HOP 数、ホスト名解決の有無などの設定をすることができます。

- Ping関連項目
- 繰り返し回数:一つの宛先に対して実行する Ping の回数
- 実行間隔:Ping実行間隔。変更することも良くある項目
- ブロックサイズ:変更することはほとんどない項目
- タイムアウト:変更することはほとんどない項目
- TTL::変更することはほとんどない項目
- 繰り返し順序
- ソートしない:1つ宛先に対して繰り返し回数分 Ping 実行したら次の宛先に Ping 実行する
- 端末でソート:1つの宛先に対して1回ずつ順番に Ping 実行することを繰り返し回数分実行
- 定期的に実行する:有効の場合定期的に Ping を実行する
- ●分間隔:定期的に Ping 実行する間隔。「0」にすると無間隔で繰り返す
- TraceRoute関連項目
- 最大HOPS:変更することはほとんどない項目
- ホスト名の解決を行う:有効の場合宛先 IP から FQDN への名前解決を試みる。通常不要な機能のため無効化推奨
Ping の実行・停止・結果の確認・ログ保存
Ping を実行するためには「Ping実行」ボタンをクリックするか、または「F5」キーを押下します。

Ping を停止するためには上側のボタンの中の「中断」ボタンをクリックするか、または「F4」キーを押下します。

Ping の結果情報としては、Ping 1回ごとの結果を表示した「Ping 結果」タブと Ping 全体の実施回数・失敗率等の統計情報を表示した「Ping 統計」タブがあります。


Ping 結果・統計の保存は上側のメニューから「ファイル > Ping 結果の保存」または「ファイル > Ping 統計の保存」から行えます。

保存時に csv または txt のどちらかの形式を選べますが、保存形式は以下の通り決定されます。
- Ping 結果の保存形式 → 環境設定での設定内容により決定
- Ping 統計の保存形式 → csv のみ可能

"結果","日時","対象","IPアドレス","ステータス","備考"
"OK","2025/03/09 21:31:54","1.1.1.1","1.1.1.1","Time: 27ms","公開DNSサーバ①"
"OK","2025/03/09 21:31:55","8.8.8.8","8.8.8.8","Time: 22ms","公開DNSサーバ②"
"OK","2025/03/09 21:31:56","1.1.1.1","1.1.1.1","Time: 49ms","公開DNSサーバ①"
"OK","2025/03/09 21:31:57","8.8.8.8","8.8.8.8","Time: 40ms","公開DNSサーバ②"
"OK","2025/03/09 21:31:58","1.1.1.1","1.1.1.1","Time: 22ms","公開DNSサーバ①"
"OK","2025/03/09 21:31:59","8.8.8.8","8.8.8.8","Time: 33ms","公開DNSサーバ②"
"対象","実施回数","失敗回数","失敗率(%)","最短時間(ms)","最大時間(ms)","平均時間(ms)","備考"
"1.1.1.1",4,0,0,26,33,30,"公開DNSサーバ①"
"8.8.8.8",4,0,0,23,31,28,"公開DNSサーバ②"
TraceRoute の実行・結果の確認・ログ保存
TraceRoute を実行するためには「TraceRoute実行」ボタンをクリックするか、または「F6」キーを押下します。

Ping の結果情報としては「TraceRoute 結果」タブがあります。

TraceRoute 結果の保存は上側のメニューから「ファイル > TraceRoute 結果の保存」から行えます。

TraceRoute
1.1.1.1
#001 11ms 192.168.179.1
#002 Request timed out
#003 21ms 10.255.22.125
#004 142ms 10.255.48.7
#005 34ms 10.255.48.140
#006 17ms 106.153.242.134
#007 38ms 106.153.242.129
#008 20ms 175.129.8.9
#009 38ms 27.80.241.169
#010 43ms 27.86.45.226
#011 52ms 210.171.224.134
#012 55ms 103.22.201.36
#013 15ms 1.1.1.1
8.8.8.8
#001 4ms 192.168.179.1
#002 Request timed out
#003 728ms 10.255.22.61
#004 21ms 10.255.48.7
#005 31ms 10.255.48.140
#006 23ms 106.153.242.134
#007 24ms 106.153.242.129
#008 23ms 175.129.8.9
#009 26ms 106.139.194.81
#010 26ms 27.85.228.166
#011 35ms 72.14.208.177
#012 36ms 142.251.66.207
#013 32ms 142.251.60.193
#014 36ms 8.8.8.8
結果のクリア
Ping 結果・統計、TraceRoute 結果の表示をクリアするためには「結果のクリア」ボタンをクリックするか、「Ctrl+Del」キーを押下します。

設定の保存
設定の保存をすることで、ExPing を再起動した後も現在の設定を引き継ぐことができます。「上書き保存」ボタンをクリックすることで設定を保存できます。

ExPing の使用例・設定例
おすすめの環境設定
環境設定の「基本設定」タブにある「Ping 結果の自動削除」は無効化することをお勧めします。

Ping 断時間計測のための Ping 環境設定
Ping 断時間を計測するために ExPing を使う場合、Ping を永続的に連続して実行するよう設定する必要があります。この場合のおすすめの設定内容は以下の通りです。
- 繰り返し回数 → 1回
- 実行間隔 → 100ミリ秒
- 定期的に実行する → 有効化、0分間隔

こう設定することで手動で停止するまで100ミリ秒間隔で連続して Ping を実行することができます。
正確な断時間計測のためには1ウィンドウ1宛先とする
ExPing では複数の宛先を設定して各宛先に対して順に Ping を実行できますが、宛先が複数ある場合はその分一つの宛先に対する Ping の間隔が長くなります。正確な断時間計測のためには ExPing に設定する宛先は1つにします。
ExPing を多重起動して複数のウィンドウを表示して Ping を実行することができるため、多重起動することで複数の宛先に対して同時に正確な断時間計測をすることができます。

まとめ
- ExPing は Ping や TraceRoute を実行できるツール
- ネットワーク業界では疎通確認や断時間計測のために ExPing が使われている
- 目的によって環境設定を変更して利用する
参考資料・関連資料
Tool 関連記事一覧
- Tera Term 基礎知識を説明(インストール、ログ設定、接続方法)
- 3CDaemon のインストールと使用方法を説明します【FTP,TFTP】
- ExPing のダウンロードと使用方法について説明します
Amazon で買えるおすすめアイテム
以下は Amazon アフィリエイトリンクです。ネットワーク作業向けにそこそこおすすめなアイテムです。
コメント